おそらく様々な業種にも当てはまりますが、この記事はデザイナー向けとして書いています。

既に活躍している人に追い付くには自力のみでは厳しい
キツイ言い方かもしれませんが、一握りの人以外は、本当に厳しい道のりだと思います。
私自身、先に就職して修行を積めたことは幸運だったと思っています。
その理由を3つご紹介します。
1. 最初の準備が大変
起業後は、制作に取りかかる前と、最低限、納品して請求書を出すまでに必要なものだけでもたくさんあります。
それらを一から自分で調べて、考えて、気づいて、探して、準備をするのは骨が折れるしストレスが溜まります。
最低限は必要なものをそろえるだけでも数日はかかるでしょうし、
時間をかけた割には足りないものも結構出てくることも予想できます。
制作の途中に無いことに気づいて、
「あー、今いいところなのに💢」といって買いに行くこともあるかもしれません。
しかし、会社に入ってしまえば仕事をするための土台が準備されているので、あなたがそれらを考える必要はほとんどありません。
独立した時のことを考えてリスト化でもしておけば、独立するまでの暇なタイミングで準備しておくこともできるでしょう。
なので、余計なことで悩むこともなく日々の制作に時間を割くができます。
また、面倒な書類仕事も会社にいるうちに慣れておけば、
「早く制作に取り掛かりたいのに💦」みたいなストレスも軽減できます。
極端な例ですが、
もし会社には1ヵ月しかいなかったとしても、本気で働いていたのであればフリーランスになった時の準備はかなり楽になると思います。
それくらい「一度就職する」という選択肢には大きな価値があります。
ざっくりまとめると
フリーランス:調べるところから全部自力
就職→フリーランス:必要なものを知っているので買ったり作ったりするだけ
2. 人間力が身に付きやすい
私の経験談ですが、いきなりフリーランスになった人に「あ、この人関わりたくないわ」と思わせてくる人がそこそこいました。
ざっくり言うと、心が子どものまま働いている感じです。
具体的な例で言うと、
・自分の意見が通らないと不機嫌になる
・自信過剰で人の話を聞かない
・連絡しない
「自分の都合」で物事を決めたがっていると言っても良いかもしれません。
なぜこんなことになるのかというと、
・叱ってくれる
・導いてくれる
・正してくれる
そんな人と出会っていないからです。
例えば、あなたの行為について、「すごい!」「そんなことできるんだ!」と褒めてくれる人しかいなかったら、どうなると思いますか?
おそらく「これで良いんだ!」「今のままで良いんだ!」となるでしょう。
そんな日常が続いて、ある日突然「これは違います」「私が求めているものはこれではありません」という意思表示をされると、「この人は分かってない」「素人だから理解できないか」なんてことを考えてしまう。
しかもそれが態度に出てしまう。
意見を交わしあう友達同士ならそれでも良いかもしれませんが、仕事をする上でそんな態度を取るのは子どもであると言わざるを得ません。
「褒めてくれる人がいるなら良いんじゃない?」という意見もあるかもしれませんが、この場合の「褒めてくれる人」がどんな人だと思いますか?
それは、成果物とは無関係な人です。
相手がクライアントであれば費用と成果物によって業務上の対等な関係を結ぶことができます。
そのため、お互いに必要な意見を言い合って完成を目指します。その際に否定的な意見が出ることもざらにあります。
では無関係な人とはというと、金銭のやり取りがありません。
自分のための成果物でもないので、まず否定する理由がありません。
でも何も言わないのも悪いから「すごい!」と言ってくれているだけかもしれません。
学生時代の後輩とか、別業種の友人とか、そんな反応してくれる人はいませんでしたか?
そしてそれを鵜呑みにして、「自分ならイケる!」と思ってフリーランスになった人は、あなたの周りにいませんか?
私の周りにはいました。
その人が先ほど紹介したような態度を取っているところも見てしまったし、他の人からも同様の話を聞いてしまいました。
その人が今何をしているかというと、地元の会社に就職したようです。
幸いにもフリーランスの時と近い業種のようで、時々見かけると以前よりも丸くなった印象でした。
・叱ってくれる
・導いてくれる
・正してくれる
そんな人と出会っていないと言いましたが、
優しく言えば「誘導」
厳しく言えば「矯正」
と言い換えても良いかなと考えています。
多くの人は働き始めれば、
「どんな態度が正しい」
「どんな考え方が正しい」
など、仕事を円滑に進めるためのなんとなくの目的地を感じることができると思います。
新人さんのように、まだ何も知らない、もしくはそれを自覚している人に対しては、「こっちにおいで」「こっちの方が良いよ」と「誘導」してあげれば、少しずつ目的地に矢印が向いてきます。
ただ、間違った目的地を教え込まれてしまうとそちらに向いてしまうので、最初に「誰が」誘導してくれるのかはその後にも大きな影響を与えることにもなります。
これから社会に出るというあなたは、ここはよく考えてみてください。
もう1つの「矯正」ですが、「歯の矯正」をイメージしてみてください。
一度崩れた歯並びは、自然には直りません。
それなりの費用をかけて、
正しい位置に動かそうという力を、
長い時間かけ続ける。
そうすることでようやくきれいな歯並びになります。
人間も同じで、一度身についてしまった考え方や態度というのは自然に変わることはないので、なにか強いきっかけがなければいけません。
そのきっかけ、矯正の方法が早い話「叱られる」だったりするわけです。
しかし最近はすぐにパワハラだ、などと言われることが多いせいか、年齢問わず、まだ何も身についていないのに知ってる風の生意気な人に対しても「優しく」接しざるを得なくなってきているのではないかと感じています。
この「優しく」は「誘導」寄りの教育に当たると思いますが、実のところ、本来「矯正」が必要な人に「誘導」をしたところで効果は出ないでしょう。
歯をワイヤーで引っ張る代わりに指で押してもびくともするわけがないというのと同じです。
逆に「誘導」で済むはずの人に「矯正」を施しても、無理な力をかけすぎてしまって悪い結果が出てしまうことも考えられます。
その人を見極めるなんてことができれば誰も苦労はしないので理想論ではあるのですが、適した対応というのは常に心掛けたいですよね。
人間力のまとめになりますが、上記でも話したように、基本的には1人でどうこうできるものではありません。複数人との関わりによって少しずつ変わっていくものです。
会社で働けば常に複数人と関われる環境に身を置けるので、「誘導」なり「矯正」を受けやすくなります。
ただどちらにしても、自覚と受け入れる心の体制が整っていない人は、ずっと目的地を見つけられずに彷徨うことになるでしょう。
そうならないためにも、できるだけ若いうちに矯正は済ませておきたいですね。
3. スキルアップの速度が段違い
受験で例えてみます。
あなたは行きたい高校、大学を決めたら、闇雲に勉強して合格を目指しますか?
おそらく多くの人は、
・進路先の受験科目の確認
・そこ向けの参考書の購入
・塾等で進路先の対策をする
こんな方法を取ると思います。
もう1つ、実行するには現実味がないのですが、理想的な方法としては、
・その進路先に合格した人に、したこと、しなかったことを聞いて真似る
というものもあると思います。
就職も同様です。
独立願望はありつつ修行したい時、では誰の下で学びたいかとなると、
できるだけ自分が将来なりたい像に近い人、とかになるのではないでしょうか。
理想の人でなくても業界に入りさえすれば何とかなると思ってしまうかもしれませんが、私の経験上、そう簡単にはスキルアップはできないと感じています。
もしあなたが今Lv.5だったとします。
そして就職し、例えば5年間学ぶ場合、
・Lv.20の人の下で学べばLv.14
・Lv.80の人に下で学べばLv.56
双方でこれくらいの差が出ると思います。
ただ、後者は前者に比べて今のあなたとのレベル差が大きすぎて着いていけないというリスクも抱えています。
実際、体調を崩したり、鬱になったりということもよくあるので、運よくそこに就職できたとしても注意が必要です。
いくらなんでも前者のように5年でLv.14みたいなことはないんじゃないの?と思うかもしれませんが、
これは不思議なもので、経営のノウハウ云々は置いておいても、自分の師の下で働いている間に師を超えることって、まぁないんですね。
そこで働いていてもそんな状況なので、
最初から自分1人で頑張るというのは、少なくとも私はおススメしません。
でも就職するにはどうすればいいの?
とお悩みの方向けに記事も書いているので参考にしてみてください。
結論
既に活躍している人に追い付くには自力のみでは
技術的にも人間的にも追い付けない。
考えようによっては、就職とはすでに活躍している人が何を持っていてどうやって仕事をしているかを間近で見ることができて、
かつお給料がもらえるというめちゃくちゃメリットのあることなんです。
独立しようと思っている人にとってはこんなおいしい話はありません。
意固地になったりせずに、今の自分はどうなのかを自覚して、
いろいろな意見を一度受け入れる心の準備をしてみてください。(必要ないものはそのあとに吐き出せば良いです。)
最後にもう一度。
最初からフリーランスになりたいと思っているあなたは、
無理に焦らず、就職も視野に入れてみてください。
「急がば回れ。と思っていたけど逆に近かった」
これが私の結論です。
